CHISAKO

from W-FUNK by ウィンブルドン総合優勝

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lyrics

CHISAKO

ふと夜に目覚める　時刻は四時ちょうど
真っ暗な寝室響く台所の足音
見に行くと半開きの冷蔵庫前に息子
一人後姿で立っているポツンと
「何してんのアンタ」声をかけても返事はなし
振り返らない彼に対し眠気からくる苛だち
堪り兼ねて肩を掴み顔を覗き込むと
まるでマネキンみたく蒼白　無表情で空っぽ
するとゆっくりと両端の口角が上がる
瞬きした瞬間に背中走る悪寒
黒目と白目が反転している
◯◯子はその瞬間に意識を失う

ふと夜に目覚める　時刻は四時ちょうど
ズキズキと痛む頭　便座にしゃがみ嘔吐
重たい足引きずりながら息子の寝室に向かう
今日ばかり息子の寝息が聴きたくなる
息子の部屋　カーテン揺れる　窓から月明かり
気づいてしまう　勉強机の上に禍々しい
バキバキに壊したはずのゲーム機が元どおり
異様な光景に拒否と激しさを増す動悸

汗まみれ目覚める　時刻は四時ちょうど
汗だくのベッドの上で火をつける煙草
煙が暗い部屋の中で霊魂のように漂よう
カウンター肘ついてシーバスのロックを流し込む
スーツを着たヴァイオリンがそっとグラスを下げた
マスターが鮮やかな色のカクテルを突き出した
「あちらのお客様からです」指差す席には息子
◯◯子はふふ、と笑いカウンターに目を戻すと
あったはずのカクテルはそこには無かった
代わりにバキバキに割れたゲーム機があった

汗まみれ目覚める　時刻は四時ちょうど
汗まみれ目覚める　時刻は四時ちょうど

目が醒めると◯◯子は深夜の後楽園ホール
ステージ中央で一人当たるピンスポットライト
摘まみ出す　口の中からニス塗った木片
右手には破損した冷たいヴァイオリン
どこからか響き渡るチャイコフスキーの音色に
混じる泣き声　闇の中で歪む息子の声
鼓膜を殴打するようなシンバルが鳴る
真っ白いドレスの上に血が一滴滴る
巨大なゲーム機　手に持ってるバット振り下ろす
◯◯子の腕の乾燥した骨がパキパキ砕ける
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も殴打する
息子が泣いている　◯◯◯太郎が笑っている
身体がバラバラになり薄れゆく意識の中で
「お母さんも約束を破ったね」そう聴こえた
顔を覆い泣いている息子が手を退かすと
顔を覆い泣いている息子が手を退かすと・・・・